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良性胆管空腸吻合部狭窄に対する治療戦略について

No.5087 (2021年10月23日発行) P.53

平野 聡 (北海道大学大学院医学研究院 消化器外科学教室Ⅱ教授)

清水宏明 (帝京大学ちば総合医療センター外科学 (肝胆膵)講座教授)

登録日: 2021-10-21

最終更新日: 2021-10-19

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  • 術後の良性胆管空腸吻合部狭窄に対してはステント治療が第一選択とされることが多いですが,その場合のステントの選択,経過観察法については一定の見解がありません。また,外科的治療が必要となる症例もありますが,その適応判断も意見がわかれるところだと思います。再発のない胆管空腸吻合部狭窄の治療戦略についてご解説下さい。帝京大学ちば総合医療センター・清水宏明先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    平野 聡 北海道大学大学院医学研究院 消化器外科学教室Ⅱ教授


    【回答】

     【ダブルバルーン内視鏡を用いた狭窄部のバルーン拡張・ステント留置(3カ月以上)が第一選択とされる】

    胆道再建後の吻合部良性狭窄は,縫合不全に起因した炎症性の瘢痕収縮,胆管の血流傷害などが主な原因の胆汁うっ滞による胆管炎・敗血症,さらには続発性肝硬変など臨床的にきわめて重篤な経過をとることもあり,病態に応じた適切な治療が行われなければなりません。現状では,ダブルバルーン内視鏡を用いて狭窄部のバルーン拡張・ステント留置術などを行うinterventional radiology(IVR)治療が第一選択とされ,その際には容易に交換・抜去可能なプラスチックステント(PS)が用いられています。

    (1)IVR治療

    胆管空腸吻合部狭窄例の多くは黄疸あるいは胆管炎を合併しているため,まず胆道ドレナージが必要となります。胆管へのアプローチは,内視鏡的ルートと経皮経肝的ルートに大別されますが,現状では,ダブルバルーン内視鏡を用いた内視鏡的アプローチが非侵襲的で合併症も少ないため第一選択とされます。

    しかし,胆管切除後Roux-en-Y型で再建されている症例では,内視鏡が胆管空腸吻合部に到達しえないこともあり,その際には,経皮経肝的ルートによるアプローチ〔経皮経肝胆道ドレナージ(percutaneous transhepatic biliary drainage:PTBD)〕となります。PTBDによる胆道ドレナージのリスクとして穿刺時の出血などの合併症,チューブ留置による患者のQOLの低下がありますが,その反面,チューブ交換・サイズアップなどは容易となります。

    胆管へのアクセスが確保された後の胆管空腸吻合部狭窄の解除には,狭窄部のバルーン拡張を行い,太径のPSを留置します。PSは定期的に交換します。その際,吻合部の拡張の状態を確認し,狭窄が解除されていれば,抜去可能と考えられます。再狭窄予防のため,原則3カ月以上(必要に応じて6カ月)の留置が必要となります。

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