ギリアド・サイエンシズは10月18日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬「ベクルリー点滴静注用100mg」(一般名:レムデシビル)について一般流通を開始したと発表した。
ベクルリーは、昨年5月の特例承認後、ギリアドとの契約に基づき国が購入、各医療機関に配分してきたが、生産能力が向上し需要を満たす供給の見通しが立ったことから、今年8月の薬価収載を経て一般流通に切り替えることとなった。薬価は1瓶6万3342円。
ベクルリーの国際共同第3相試験(ACTT-1試験)の日本での治験責任医師を務めた大曲貴夫氏(国立国際医療研究センター国際感染症センター長)は「(一般流通開始で)医療機関は迅速に本剤を入手し、適切なタイミングで患者の治療に当たることができるようになる。医療業務の削減も期待される」とコメントしている。
ベクルリーは、細胞内のウイルスのRNAポリメラーゼを標的として、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の複製を直接阻害するヌクレオチド誘導体。ギリアドによると、ベクルリーは抗ウイルス活性の検討で、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、イプシロンを含む変異株に対しても有効であることが示唆されているという。
「ベクルリー」の効能・効果
SARS-CoV-2による感染症(臨床試験等における主な投与経験を踏まえ、SARS-CoV-2による肺炎を有する患者を対象に投与を行うこと)