性機能不全群の主要な特徴1)は,性的な刺激に反応できないこと,または性的な行為において痛みを感じることである。機能不全は,通常性行為と関連した主観的な喜びまたは欲求の障害によって,または客観的な遂行能力によって定義することができる。
発症時期が病因や介入方法の違いを示唆することがある2)。すなわち,生来型:最初の性的体験から性の問題が存在していたもの,獲得型:性機能不全が比較的正常な性機能の期間の後に発現するもの,全般型:性的困難がある特定の刺激,状況,または相手に限られていないもの,状況型:性的困難がある特定の刺激,状況,または相手に起こるもの,である。
性機能不全は次のように分類される2)。
性交中に射精に至ることが非常に難しい。この問題は自慰行為では稀で,パートナーとの性行為において現れる。
性行為中に勃起することが困難,性行為を終了するまで勃起を維持できない,勃起時の硬さの著しい減少のうち,少なくとも1つがみられる。
しばしば女性オルガズム抑制,もしくは無オルガズム症とも呼ばれ,正常な性的興奮相に続くオルガズムの遅延または欠如が反復的または持続的に存在することである。
性的関心(ないし欲求)と興奮の障害が一組になって機能不全カテゴリーに組み込まれる。女性は興奮の感情と同期して,あるいは興奮の感情の始まりに引き続いて,欲求を体験することが多いからである。
性交前もしくは最中もしくは後に,男性においても女性においても起こりうる,反復的もしくは持続的な生殖器の疼痛である。男性より女性に多く起こりうる。腟痙攣と関連し,もしくは同時に起こる。腟痙攣は陰茎の挿入と性交の障害になる。
少なくとも6カ月間の性的な空想と性行動に対する欲求の不足または欠如によって特徴づけられる。
常にあるいはしばしば,男性は自分が望む前にオルガズムに達し射精する。男性が挿入後,おおむね1分以内に射精するのが常である場合に診断される。
物質中毒中またはその直後,医薬品からの離脱または曝露の後に生じる。症状を引き起こすのは,アルコール,オピオイド,鎮静剤,睡眠薬,抗不安薬,アンフェタミン,コカインなどである。
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