中央社会保険医療協議会総会は12月3日、2021年度の薬価調査および、特定保険医療材料価格調査の速報値について報告を受けた。それによると、薬価の平均乖離率は約7.6%、特定保険医療材料価格は約3.8%だった。21年4月の中間年の薬価改定では、新型コロナウイルス感染症の医薬品流通への影響を考慮した薬価の下げ幅の緩和(0.8%)が行われており、次回改定でも同様の措置が講じられるかが、今後の焦点の1つとなる。
薬価調査は、2021年9月取引分について、販売サイドから11月2日までに報告があったものを集計。全体の平均乖離率は約7.6%で、前回調査(20年度)の8.0%から0.4ポイント縮小した。後発医薬品の数量シェアは約79.0%となり、前回調査から0.7ポイント上昇している。
投与形態別の乖離率は、内用薬8.8%、注射薬5.6%、外用薬7.9%、歯科用薬剤▲2.4%。主要薬効群別でみて乖離率が大きかったのは、内用薬の「高脂血症用剤」(12.5%)、「その他のアレルギー用薬」(12.2%)、「血圧降下剤」(11.9%)など。逆に乖離率が小さかったのは、注射薬の「血液製剤類」(2.5%)、「その他の生物学的製剤」(3.3%)などだった。「歯科用局所麻酔剤」(▲3.0%)は市場実勢価格が薬価を上回る逆ざやとなっていた。
材料価格調査は、2021年5~9月取引分(ダイアライザー、フィルム、歯科材料、保険薬局調査分は21年9月取引分のみ)について、販売サイドから11月8日までに報告があったものを集計した。平均乖離率は約3.8%で、前回調査時(19年度)の5.8%から2.0ポイント縮小した。