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■NEWS 原価開示度50%未満品目の加算係数ゼロ化に反発―薬価専門部会が業界ヒアリング

登録日: 2021-12-10

最終更新日: 2021-12-10

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中央社会保険医療協議会薬価専門部会は123日、2022年度薬価制度改革の論点整理案について、関係業界から意見を聴取した。業界側は、原価計算方式で薬価算定された新薬のうち、製造原価の開示度50%未満の品目の加算係数を0に厳格化する案や、市場拡大再算定の類似品の適用除外期間を3年間とする案に反対し、再検討を求めた。

新薬の薬価算定では、原価計算方式における製造原価の開示度50%未満の品目の加算係数を0とする案について、日本製薬団体連合会、米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会の3団体は、「有用性加算等が認められた効果がまったく薬価に反映されないという見直しは実施すべきではない」と反対姿勢を表明。開示度50%未満の既存薬の中にも画期性加算や有用性加算、先駆け審査指定制度加算がついた革新性の高い薬剤が存在することや、他社との取引関係や製造・輸入形態によっては詳細な情報を入手できずに開示度が低くならざるを得ないケースもあることを示し、理解を求めた。

開示度50%未満の品目に一律に厳しいルールを設けることによって、かえって開示に取り組む企業の意欲を削ぐ可能性もあるとも指摘。「例えば開示度20%未満などの段階を設けることなどについても検討が必要だ」と提案した。

■市場拡大再算定の類似品の除外期間は少なくとも5年間は必要

市場拡大再算定で、対象品目の類似品にも再算定が適用される連座的ルールの見直しでは、類似品の対象外となる期間について、論点整理案の3年間では不十分だと主張。過去に市場拡大再算定の特例の対象となった品目の薬価引き下げ率が平均25.6%であることや、平均的な薬価改定率が6.0%程度であることから、「通常改定1回分の猶予では不十分であり、少なくとも2回分(5年間)の猶予は必要」と訴えた。

次期薬価改定における調整幅の扱いにも言及。新型コロナウイルス感染症による医薬流通への影響を考慮し、薬価の下げ幅を0.8%緩和した、21年度の中間年改定時と同様の措置の実施を求めた。

調整幅では日本医薬品卸売業連合会も、新型コロナや後発医薬品の供給問題の影響で医薬品流通が逼迫している現状を踏まえれば、「調整幅を引き下げる状況にはない」との考えを示した。

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