株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

午後から悪化する嘔気で来院した37歳男性[鑑別診断塾入門(19)]

No.5097 (2022年01月01日発行) P.9

塩尻俊明 (国保旭中央病院総合診療内科部長)

登録日: 2021-12-30

最終更新日: 2021-12-27

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【現病歴】X-4日,午後から両側後頭部が締めつけられるような痛みを自覚。帰宅後,早めに寝たら良くなった。X-3日,昼過ぎに乗り物酔いのような嘔気を自覚し嘔吐。後頭部痛もあるため近医で頭部MRIを施行したが,異常なしと言われた。内服処方を受けたが,その後も午後になると嘔気と後頭部痛が出現。X-0日,朝から立っているだけでも嘔気が出現し,嘔吐するようになったためER受診。

<追加の情報>
めまいはなし。腹痛なし。下痢なし。日に日に悪化。
【既往歴】アトピー性皮膚炎。
【内服薬】近医からX-3日よりファモチジン,オキセサゼイン,メトクロプラミド,メシル酸べタヒスチン
【生活歴】転倒,外傷歴,飲酒,喫煙なし。
【バイタルサイン】BP 126/57mmHg,PR 91/min,RR 16/min,BT 35.4℃,SpO2 98%(RA), 意識清明
【身体所見】項部硬直なし。両後頸部に圧痛なし。腹部所見なし。
【神経診察】眼振,眼球運動制限,顔面の感覚障害,難聴,ホルネル徴候,嚥下,構音障害なし。

 キーワード 
・急性発症
・午後から嘔気・後頭部痛が出現
・後頭部の鈍痛
・立位で嘔気

考えられる診断は?

A. 椎骨動脈解離
B. 好酸球性胃腸炎
C. ウイルス性髄膜炎
D. 特発性脳脊髄液減少症
E. 緊張型頭痛

プレミアム会員向けコンテンツです(最新の記事のみ無料会員も閲覧可)
→ログインした状態で続きを読む

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

もっと見る

関連求人情報

関連物件情報

もっと見る

page top