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【人】柳沢正史さん「 真実は仮説より奇なり 」

No.4815 (2016年08月06日発行) P.18

柳沢正史  (筑波大国際統合睡眠医科学研究機構長)

登録日: 2016-09-16

最終更新日: 2017-01-20

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  • 柳沢正史 さん(Yanagisawa Masashi)

    筑波大国際統合睡眠医科学研究機構長

    1960年東京都生まれ。85年筑波大卒。91年米国テキサス大サウスウェスタン医学センター准教授兼ハワード・ヒューズ医学研究所准研究員、2003年米国科学アカデミー正会員選出、10年内閣府最先端研究開発支援プログラム中心研究者、12年より現職

    「 真実は仮説より奇なり 」

    世界でも類を見ない睡眠の基礎研究拠点「筑波大国際統合睡眠医科学研究機構」(IIIS)を率いて、睡眠・覚醒のメカニズム解明に挑む。

    大学院生時代の1988年に血管収縮物質「エンドセリン」を発見して一躍脚光を浴び、米国ハワード・ヒューズ医学研究所にスカウトされた。

    次に着手したオーファン受容体の探索プロジェクトでは、脳内のペプチド性神経伝達物質である「オレキシン」を発見。当初は食欲や体重調節に関与する因子と考えていたが、ノックアウトマウスでナルコレプシーの症状を観察、睡眠・覚醒のスイッチを制御していることを突き止めた。

    2つの発見は「最初から創薬を意図したわけではない」が、エンドセリン受容体拮抗薬は肺高血圧症治療薬として、オレキシン受容体拮抗薬は睡眠薬として承認されており、いずれも臨床応用につながった。IIISではナルコレプシー治療薬として、オレキシン受容体作動薬の開発も手掛ける。

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