医療機関では,来院した方に情報提供するためにたくさんの情報を掲示していますが,限られたスペースで必要な情報が十分に掲示されていないことがあります。患者が掲示物に気づかなかった場合に,どういった対応をすべきでしょうか。
①院内の掲示がわかりづらく,大変申し訳ございませんでした。今回は処理させていただきますので,お待ちいただけますでしょうか。次回以降は委任状と,患者との続柄を証明する書類をお持ちください。
②遠方からお越しいただきましたところ申し訳ございませんが,個人情報保護法により,ご家族を含め,ご本人以外の方がカルテ開示を希望される場合は委任状などの書類が必要となります。掲示物につきましては,早急に改善させていただきます。
個人情報保護法をはじめ,医療従事者だけでなく,患者も守らなければならない規則やルールも数多くあります。病院内のルールであれば,最悪,ケース・バイ・ケースで対応することもできますが,法律などの場合は当然,病院の都合で変更することはできません。②のように,掲示の仕方についてはお詫びをしつつ,法律に従って対応をしましょう。
2005年4月に個人情報保護法が全面施行されてからは,個人情報の取り扱いを受付など見やすい場所に掲示している病院が増えました。一方で,病院・医療業務に関係する法律や条例・規則などは多数あり,細かなところまでは掲示できていない場合も多いと思います。「聞いたことがない規則には従わない」「自分がわかるところに明示されていないから知らない」という方も少なくなく,トラブルの原因となっています。