認知症初期集中支援チームとは,認知症の人や家族に関わり,アセスメント,家族支援などの初期の支援を包括的,集中的に行い,自立生活のサポートを行う,複数の専門職により編成されるチームをいう。初期に6カ月以内をめどに集中的に関わり,在宅へ訪問して,評価する点が特徴的である。
地域包括支援センターなどに配置し,家庭訪問によりアセスメントや家族支援などを行う「認知症初期集中支援チーム」の設置がすべての市町村に必置である1)。40歳以上で,在宅で生活しており,かつ認知症が疑われる人または認知症の人であり,以下の基準に当てはまる人が対象である。認知症疾患の臨床診断を受けていない人,継続的に医療サービスを受けていない人,適切な介護保険サービスに結びついていない人,診断されたが介護サービスが中断している人,が該当者となる。また,医療・介護サービスを受けているが,認知症の行動・心理症状が顕著なため,対応に苦慮している人も該当者となる。チーム員会議ではDA SC-21,DBD13,Zarit8の3つが主なチェックリストとして利用されている。
チーム員会議でのサポート医などの助言をふまえ,医療機関への受診や検査が必要な場合は,本人に適切な医療機関の受診に向けた動機づけを行い,受診に至るまで支援を行う。また,本人の状態像に合わせた適切な介護保険サービスの利用が可能となるように,本人・家族への支援を行う。
【文献】
1) 遠藤英俊:MED REHABIL. 2015;183:113-9.
【解説】
遠藤英俊 国立長寿医療研究センター内科総合診療部部長