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両下腿のむくみで来院した52歳男性[鑑別診断塾入門(22)]

No.5105 (2022年02月26日発行) P.11

塩尻俊明 (国保旭中央病院総合診療内科部長)

登録日: 2022-02-25

最終更新日: 2022-02-24

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【現病歴】X-5年,食道静脈瘤からの出血で当院受診。Child-Pugh分類Bの肝硬変の指摘を受けNASH疑いとなり,その後は近医でフォロー。X-2年,肝性脳症。X-3カ月,労作時息切れを自覚。X-2カ月,肝性脳症。X-3週,両下腿と陰囊のむくみを自覚し徐々に増悪。X-3日,労作時息切れ悪化。X-0日,浮腫の精査のため入院。
<追加の情報>
息切れは,労作時で著明で,坐位・臥位での改善はなし。上下眼瞼のむくみを家人から指摘。Ray-naud現象,関節痛,光線過敏などなし。抑うつ,嗄声,寒がり,動作緩慢なし。
【既往歴】2型糖尿病。十二指腸潰瘍。腎疾患・DVT/肺塞栓既往なし。
【内服薬】リファキシミン,フロセミド,肝不全用成分栄養剤,ラクツロース,プロトンポンプ阻害薬,スピロノラクトン,イプラグリフロジン L-プロリン,シタグリプチンリン酸塩水和物
【生活歴】飲酒なし。喫煙10本/日×30年。事務職。
【バイタルサイン】BP 121/89mmHg,PR 95/min,RR 22/min,BT 37.2℃,SpO2 93%(RA),意識清明
【身体所見】両眼瞼に浮腫あり。腹部はやや膨満しshifting dullnessあり。脾腫あり。陰囊浮腫と両下腿にはslow pitting edemaあり。アキレス腱反射の弛緩相遅延なし。

 キーワード 
・肝硬変
・慢性の労作時息切れとSpO2低下
・両眼瞼と陰囊浮腫
・両下腿slow pitting edema
・腹水と脾腫

考えられる診断は?

A. 慢性肺動脈塞栓症
B. 門脈肺高血圧症
C. ネフローゼ症候群
D. 肝肺症候群
E. 甲状腺機能低下症

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