指導や監査、処分の改善を求める医師、弁護士らによる「健康保険法改正研究会」はこのほど、指導と監査の分離や集団的個別指導の廃止などを柱とする健保法改正案の提言を公表した。同研究会の医師らは14日に厚生労働省医療指導監査室長に面会し、改正案の内容を説明した。
保険診療に対する指導・監査を巡っては課題が山積しているものの、2014年に日本弁護士連合会が指導・監査について7項目の見直しを求める意見書を厚労省に提出するなど、改善に向けた動きが少しずつ進んでいる。
健保法改正案の提言は、日弁連の意見書が提案する「個別指導の選定理由の開示」「弁護士の指導への立ち合い権」など保険医の人権を守る措置を条文として具体化。本来は教育や研修の役割を持つ「指導」が監査と実質的に連続していることを問題視し、指導と監査を制度上切り離して指導は地方厚生局が、監査は厚労省が実施することを提言している。集団的個別指導は位置づけが不明瞭であるとして、廃止が明記された。
健康保険法改正研究会は医療指導監査室長との面会に先立ち、都内で会見した。共同代表で弁護士の井上清成氏(写真右端)は「健保法の改正に向けた動きがみられる」と述べ、提言を基に健保法の改善に向けて国会議員など各方面に働き掛けていく考えを示した。