(質問者:千葉県 K)
残念ですが,プラスチック製品において変色・退色や,劣化現象は当たり前のように生じやすく,特に黄ばみはよく見かけられます。変色は,①光や熱などによるプラスチックの劣化により分子鎖に発色団が生成(たとえばカルボニル基, C=O)されて生ずる場合と,②プラスチック製品中に添加されている酸化防止剤のブルーム現象(プラスチックの分子運動により製品表面に酸化防止剤などの添加剤が浮き出て黄ばみになること)があり,また③プラスチック製品に含まれるフェノール系酸化防止剤と自動車などから排出されるNOXが反応し,キノンメチド(図1)を生成し,黄ばみとなるケースもあります。さらに,④カビがプラスチック製品に発生した場合,基質となるプラスチック製品の表面の接触部に酵素(カビ毒)を代謝することで着色することもあります。特に黄色は“Penicillium citrinum”で生じます。これは,プラスチック製品の表面に生育しているカビを除去しても,黄ばみはプラスチックを基質としているため除去できません。
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