【質問者】
近藤康人 藤田医科大学ばんたね病院小児科教授
【経口JAK阻害薬は12歳以上の既存の治療でコントロールできない中等症以上の患者で処方可能である】
分子標的薬は,特定の分子をターゲットとしてその機能を阻害する薬剤のことを指します。また,アトピー性皮膚炎に対しては,ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体のデュピルマブといったモノクローナル抗体に代表される高分子の生物学的製剤とヤヌスキナーゼ(Janus kinase:JAK)阻害薬といった低分子化合物に分けられます。
生物学的製剤は主に抗体医薬品であり,分子量が大きいため細胞内に入ることができず,細胞外あるいは細胞膜上の標的分子に作用します。皮下注射での投与となり経口投与はできません。一方,低分子化合物は細胞内に入り,シグナル伝達分子などの細胞内標的分子に作用できるもので,経口薬(場合によっては外用薬)として投与可能です。
ここでは,2022年3月末時点での小児アトピー性皮膚炎患者が使う可能性がある全身投与の皮下注射IL-4/13受容体抗体製剤と経口JAK阻害薬の使い分けについて説明します。
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