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jmedmook89 あなたも名医!ひとりでできるアレルギー診療 Total allergist的診療の手引き

“ここまでできる”の道筋を示す!

定価:3,850円
(本体3,500円+税)

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編: 寺田哲也(大阪医科薬科大学アレルギーセンターセンター長,耳鼻咽喉科・頭頸部外科准教授)
編: 福永 淳(大阪医科薬科大学アレルギーセンター副センター長,皮膚科准教授)
編: 中村敬彦(大阪医科薬科大学アレルギーセンター副センター長,呼吸器内科・呼吸器腫瘍内科)
編: 大関ゆか(大阪医科薬科大学アレルギーセンター委員,小児科非常勤講師,おおぜき医院副院長)
判型: B5判
頁数: 192頁
装丁: カラー
発行日: 2023年12月25日
ISBN: 978-4-7849-6689-9
付録: 無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます)

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◆ 本書は、プライマリ・ケア医が日常診療で遭遇する様々なアレルギー疾患について、ひとりで診療できるようになることを目的としています。
◆ アレルギー疾患は同時に複数の疾患を持つことが多く、また幅広い年齢層にわたるため、診療科間の連携、多職種連携に基づく総合的な診療が必要です。しかし実際には、個々の患者に対して多くの医療資源を割くのは難しいのが現状です。そこで、ご専門でない診療科の先生でも、全身を診るTotal allergist的な診かたが身につくように、重要なポイントに絞って解説をしました。
◆「 チーム医療」「多職種連携」「全診療科協力」といった全部盛りの解説ではなく、ジェネラリストがどの段階まで“自分一人で”診ることができ、どの段階で専門家に相談すべきかという診療の道筋を示しました。また、専門医向けのガイドラインのエッセンスも抽出し、その読み解き方を紹介しました。
◆ アレルギー症状のある患者の診療に携わるすべての臨床医におすすめの1冊!

本書は、Webコンテンツ(PDF版+HTML版)としても別途ご購入いただけます


診療科: 内科 アレルギー・免疫
シリーズ: jmedmook

目次

第1章 アレルギーを総合的に診るための基礎知識
1 気道アレルギー
2 皮膚とアレルギー
3 小児アレルギーの成り立ち:成人との相違点

第2章 ジェネラリストが知っておくべき各疾患の診断と治療
1 気管支喘息
2 アレルギー性鼻炎
3 好酸球性副鼻腔炎
4 アトピー性皮膚炎
コラム 生物学的製剤の選択基準を考える
5 食物アレルギー
6 アレルギー性結膜炎
7 蕁麻疹
8 血管性浮腫
9 薬物アレルギー
10 接触皮膚炎
11 アナフィラキシー
12 食物依存性運動誘発アナフィラキシー
13 花粉・食物アレルギー症候群
14 金属アレルギー
15 歯科金属アレルギー
16 好酸球性消化管疾患
17 上下気道の好酸球性炎症疾患(好酸球性副鼻腔炎と気管支喘息)
18 アトピー性皮膚炎と食物アレルギー合併例(成人例)

第3章 小児アレルギーの特色と問題点
1 アトピー性皮膚炎
2 食物アレルギー1(分類)
3 食物アレルギー2(診断)
4 食物アレルギー3(治療・管理)
5 気管支喘息
6 アレルギーマーチとその予防
7 移行期医療の現状と問題点

第4章 症状から考えるアレルギー診療
1 嗅覚障害
2 咳嗽
3 口腔内腫脹・違和感
4 喘鳴
5 呼吸困難
6 かゆみ
コラム かゆみを皮膚以外の臓器からとらえる
7 原因不明の蕁麻疹,アナフィラキシー

第5章 様々な視点に基づく患者啓発
1 アレルギー疾患認定資格
2 吸入指導
3 スキンケア指導
4 栄養指導
5 服薬指導
6 生理検査1:呼吸機能検査(VC・FVC)
7 生理検査2:気道抵抗検査
8 生理検査3:吸入負荷試験
9 生理検査4:運動負荷試験
10 生理検査5:鼻腔通気度検査
コラム 臨床検査技師からみた臨床検査のコツ

第6章 ジェネラリストに紐解くガイドラインの読み方
1 喘息
2 咳嗽
3 アトピー性皮膚炎
4 鼻アレルギー
5 食物アレルギー
6 アナフィラキシー
7 蕁麻疹
コラム Total allergistはどうあるべきか

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序文

アレルギーを必ずしも専門としないプライマリ・ケア医が,Total allergist的診療を行うための手引きとして,本書は企画されました。
アレルギー疾患は,複数の臓器にわたり病変を併せ持つことが多く,また患者の年齢層も幅広いため,複数の診療科がそれぞれの分野における診断と治療を行い,やや縦割り的な医療を提供していたとも言えます。全身のアレルギー疾患を総合的に診断・治療できる医師はTotal allergistと呼ばれ,アレルギー診療を行う医師の理想形のひとつだと思われます。
本書の目的であるTotal allergist的診療とは,アレルギーを発現している臓器を含めた全身的アレルギー疾患を俯瞰し,適切な検査とその後の適切な専門医への紹介ができるアレルギー領域のプライマリ・ケア的診療と考えられ,このような診療が結果としてTotal allergistの育成につながると思っています。本書では医師のみならず,薬剤師,看護師,栄養士,検査技師の方にも執筆して頂いており,文字通りの多職種連携の結果,本書が完成いたしました。
今回,各専門分野のエキスパートの先生に執筆をお願いしましたが,その専門分野に深入りしすぎず,Total allergist的診療としてプライマリ・ケア医が理解するべき項目にフォーカスして,簡潔に記して頂きました。多忙な診療の中,幾多の加筆修正のお願いにも応えて下さり,執筆にお時間をとって頂いた各先生方にこの場を借りて御礼申し上げたいと思います。
本書を通読して頂くことで,アレルギー疾患全体の理解が進むものと思います。また日常診療で困ったときに,該当項目を紐解いて頂く手引き的利用もよいと思います。しかし本書がアレルギーという広大な分野のすべてを網羅しているとは言えません。さらに理解を深めるためには,それぞれの分野の専門書を読み,いっそう知識を深めて頂きたいと思います。
プライマリ・ケア医がアレルギーを総合的に診療するために,本書がお役に立つことができれば幸甚です。
2023 年11 月
大阪医科薬科大学アレルギーセンターセンター長,耳鼻咽喉科・頭頸部外科准教授
寺田哲也

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レビュー

【書評】jmedmook89 他科領域にわたるアレルギー疾患の理解のために『ひとりでできるアレルギー診療』

河田 了 (大阪医科薬科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科教授)
他科領域にわたるアレルギー疾患の理解のために

アレルギー疾患が国民病といわれて久しいですが、現在でもその数は増加傾向です。たとえば、アレルギー性鼻炎の有病率はおよそ50%に及び、通年性アレルギー性鼻炎およびスギ花粉症の有病率はそれぞれ約25%、40%とされています。また近年、副鼻腔炎の喘息を伴う好酸球性副鼻腔炎が増加し、今では副鼻腔炎手術症例の半数を超えています。有病率の高さから鑑みても、専門診療科に関係なく、すべての医師にアレルギーの基礎知識が求められています。

アレルギー疾患は多岐にわたり、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、好酸球性副鼻腔炎、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、アレルギー性結膜炎、さらにはアナフィラキシーなどがあります。それらに対応する診療科は、呼吸器内科、小児科、耳鼻咽喉科、皮膚科、眼科等になりますが、これらのアレルギー疾患は互いに関連して発症していることが少なくありません。そのため、専門とする診療科領域のアレルギー疾患だけでなく、他領域の疾患を理解しておくことが不可欠です。それが、他科との連携の糸口になりますし、さらには研究や診療面の新たな切り口になる可能性があります。そのような流れの中、最近アレルギーを総合的に診るアレルギーセンターを開設する病院も増えてきました。

アレルギーに対する専門書はこれまでも多数ありましたが、本書はアレルギーの基礎知識、診断・治療、問題点などについてコンパクトにまとめられています。基本的にプライマリ・ケア医を対象としていますが、各専門医にとっても、特に他科領域の疾患の理解には有用であると思います。また、最近流行の各ガイドラインについても解説されています。日常業務に多忙な医師、特にアレルギーを専門としない医師にとって、非常に有用な書です。日進月歩のアレルギー分野ですが、本書を読むことで、最小限必要な知識を獲得することが可能です。さらに医師のみならず、アレルギー疾患に関わるコメディカルの方々にも役に立つ書であると思います。

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