今から15年前、私が前任地で勤務中のこと。朝、外来が始まる前に突然耳鼻科の部長が診察室に入ってきて「指に黒いものが突然出てきたんだけれど診てくれへんか?」と言われて、右手の親指を診ると、愕然としました。手掌や足底の色素斑は、指紋の丘の部分(皮丘)に色素がみられる場合はメラノーマと考えられている。彼の親指の色素斑は皮丘にも色素が認められ、明らかにメラノーマです。私は「メラノーマの可能性が大きいですが、まずは全摘生検しましょう。病理組織の結果をみて今後の治療を判断します」と答え、1週後に黒色斑の周囲2mm離して切除、人工真皮で欠損部を被覆し組織結果を待った。
結果は「Malignant melanoma, tumor thickness 〇〇mm」。さて今後の治療はどうするか。
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