厚生労働省は、新型コロナウイルスのオリジナル株(武漢株)とオミクロン株に対応した2価ワクチンについて、最終接種からの接種間隔を従来の「5カ月以上」から「3カ月以上」に短縮することを決め、10月21日から運用を開始した。
同省はこれまで、オミクロン株対応ワクチンの接種間隔を短縮する方向で検討を進め、「10月下旬までに結論を得る」としていた。10月19日の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会、20日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会で了承が得られたことから、正式に運用の見直しを決めた。
「3カ月以上」に接種間隔が短縮されたのは、12歳以上を対象としたファイザーのオミクロン株対応2価ワクチン「コミナティRTU筋注」(起源株/オミクロン株BA.1または起源株/オミクロン株BA.4-5)と、18歳以上を対象としたモデルナのオミクロン株対応2価ワクチン「スパイクバックス筋注」(起源株/オミクロン株BA.1)。
併せて、12歳以上を対象とした両社の1価ワクチン(起源株)の追加接種における接種間隔も「3カ月以上」に統一することとなった。
両社のオミクロン株対応2価ワクチンの接種間隔は、米国では「2カ月以上」、欧州では「3カ月以上」と設定されている。ファイザーが10月5日に取りまとめたレポートによると、9月から2カ月以上間隔で2価ワクチンの接種が始まった米国の副反応報告では「新たな安全性のシグナルは認められていない」という。
厚労省は20日付の事務連絡で、全国の自治体に対し、すべての初回接種完了者を対象に、予約に空きが生じないようオミクロン株対応ワクチン接種を開始するよう要請。
年内には十分な量のワクチンを供給できる見込みであることから、各自治体に対しできる限り長い期間での予約枠の提供を求めるとともに、「予約枠の提供に際しては、使用するワクチンがBA.1対応型ワクチンであるかBA.4-5対応型ワクチンであるかを明示する必要はない」との見解をあらためて示している。