日本感染症学会の四柳宏理事長(東大医科学研究所病院長)と日本小児感染症学会の尾内一信監事(川崎医療福祉大医療福祉学部特任教授)は12月21日、FUSEGU 2020(日本感染症学会/日本環境感染学会)とキリンホールディングスが開いた市民公開セミナー「親子で考える感染症対策」に出席し、子育て中の芸能人と家庭で実践できる免疫ケアについてトークを繰り広げた。
芸能人を代表して参加したのは、タレントの藤本美貴さんと俳優の杉浦太陽さん。
新型コロナ感染症の濃厚接触者となったため急遽オンラインでの参加となった藤本さんは、家庭で実践している免疫ケアについて①食事「いろいろな品目の野菜を食べる」、②運動「家でエアロバイクを漕いだり、子どもと公園に行ったりする」、③睡眠「寝られる時に寝る」─と紹介。
杉浦さんは①食事「畑の野菜や釣った魚を使った家庭料理を食べる」、②運動「週2回ジムに通う、子どもたちと遊びながら運動する」、③睡眠「子どもたちと一緒に毎日8時間寝る」─と回答した。
これに対し四柳氏は「私はどう考えてもお二人の家族ほど素晴らしい免疫ケアはしていない」としながら、「必ずヨーグルトや納豆など良い菌が入ったものを1日2~3回食べている」と自らの食習慣を公開。「納豆やヨーグルトは、医療者に対して『健康のために何を食べているか』というアンケートをとると1位、2位に来るもの。私に限らず医療に関係している人は実践している」と述べた。
尾内氏は運動について解説し、「お二人は非常によく運動しているが、共通点は有酸素運動、エアロビックということ。ランニングや散歩、自転車などの有酸素運動をすると免疫力が上がることは証明されている。私も1週間で140kmくらい自転車を漕いでいる。あまり激しすぎない運動をコンスタントにすることが大事」とアドバイスした。
「私は無酸素運動が非常に多くて、筋肉痛を起こすために運動をしているようなものですが、それは免疫が下がっているということですか」という杉浦さんの質問に対しては、「あまり強すぎる(運動をする)と免疫が下がる。例えばワールドカップですごく運動をした選手たちは何日間か免疫を回復させる必要がある」と答えた。
このやりとりを受け、藤本さんは「私は『マッチョ風邪引きがち』というのは気づいていました。(運動も)バランスが大事ですね」とコメントした。
セミナーでは、キリンなどが共同研究しているプラズマ乳酸菌(乳酸菌L.ラクティス プラズマ)も話題となり、四柳氏は「プラズマ乳酸菌は免疫のネットワークの一番最初のところに働く乳酸菌。ウイルス性の疾患に対し効果があるのではないかということが報告されている」と述べ、国内だけでなく東南アジアの国でも様々な臨床試験が行われていることを紹介した。
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