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英語▶昨今の私立医学部では珍しい記述のみの問題構成。国公立医学部受験者が併願する傾向にあり、答案に求められる完成度は非常に高い。2024年度より、設問指示が一部英語表記となり、出題内容も説明問題が増加し、内容一致問題も出題されたが難易度は大幅に易化した。
数学▶全問記述式なのでしっかり説明する訓練が必要。証明問題など、本質的な数学力が試される差のつく出題が多い。2024年度から問題数・制限時間とも減少し、難易度はやや穏やかになったが高得点をとるのは簡単ではない。
物理▶2024年度は例年並の難易度だった。ただし、高得点が必要なうえに分量も多いため、実力の底上げを地道にしていく必要がある。同じテーマの問題が繰り返し出題される傾向にあり、過去問による対策は有効。
化学▶問題用紙が冊子形式に変化したことを除き、大問4題の出題形式は変わらず。難易度についても2023年度に比べて大きな変化はなく例年並みの標準レベル。内容的には有機化学の出題比率が増えており、そのうち大問Ⅰが得点しづらい設問であった。一方で大問Ⅱ・Ⅳは平易。
生物▶2024年度も、例年通り全体的に取り組みやすい出題で、高得点勝負となった。対策としては、教科書の内容は細部まで理解を深めておきたい。また、論述問題は解答欄が狭いので、要点をまとめる練習が必要だろう。
英語▶2023年度からマークシートが導入され、大幅に大問構成が変わった。2題の長文はいずれも取り組みやすいが、要領よく解き進めないと、大問3の自由英作文で時間が足りなくなるだろう。2024年度の大問3はグラフの読み取りを伴う自由英作文だったが、この大問に限らず出題傾向、形式の変化は今後も続くと予想される。
数学▶記述問題の割合が増えたが、依然として論証力よりも計算力を必要とする傾向が強い。頻出分野は、微積分・確率・数列・幾何的問題など。2024年度は前・後期ともこれまでになく問題の難易度が高く、方針が立ったとしても正解に到達するのは困難だったであろう。
物理▶近年、公式導出のような理論問題の出題は減り、グラフ描図、グラフや表を読み解く形式の問題が増えて難易度が上がっている。入試ではあまり扱わないテーマを出題するのも特徴である。
化学▶大問4題、大問によっては小問一つ一つが独立している形式は変化なし。2023年度に比べて全体的な難易度は低下していたが、正答にたどり着くために時間を要する設問が目立ったため、要領の良さが求められる内容だった。また、細かい知識を問う設問が増えており、図説などを隅々まで熟読しておく必要があるだろう。
生物▶2024年度は前期試験が大幅に難化した。他大学では見ない形式や分野からの出題もあり、この傾向が続くならば、内容的にはかなり対策が取りづらい。一方、条件付きの解答形式などの形式的な部分は例年のままなので、過去問を繰り返し解き、事前に慣れておくべきだろう。
英語▶形式面で2022年度以降大きな変化はないが、2024年度は英文の合計語数が大幅に増加した。大問ABの難易度は易化傾向にあるが、上述の分量増加により、時間内に解き切ることが難しくなっている。
数学▶前期は、2024年度から全学部共通のマーク形式となり、標準的な問題の割合が増えた。典型的な処理をスピーディにできるかが得点に影響しやすくなっている。頻出分野は数列・確率・図形・数Ⅱ微積分などで変わらず。
物理▶2024年度入試から問題の文章量および作業量が増え難易度が上がった。主に空所補充式の問題だがグラフ描図も複数あり作業に時間がとられる。比較的取り組みやすい問題を優先し、手早く解答していく必要がある。
化学▶形式面での変化は無し。難易度については、2023年度に易化していた揺り戻しもあり難化していた。大問ⅠやⅢの知識問題は平易で落とせない内容だった一方で、ⅡやⅢの計算問題は経験値の差が出る内容だった。
生物▶2024年度も大問3題構成で、内容的にはよく練られた良問が増えている。対策としては、少し違った角度から問われても応用が利くように、典型題に対する理解を深めておきたい。また、考察問題をじっくり考える時間を考慮すると、論述を手際よくまとめる力も重要だ。
英語▶記述式のオーソドックスな良問。2022年度から大問数が1つ減り、時間的にはかなり余裕を持って臨むことのできる問題量となったが、今後もこの形式が続くとは限らない。記述力の有無が大きく得点に響く傾向にある。
数学▶小問集合は易~標準レベルなので、ミスなく処理しここで高得点を狙いたい。2024年度の大問は、典型題の出題が多いものの各大問とも最後の方が解きにくい。また、引き続き記述を重視する方向にあり、証明問題も出題された。
物理▶他大学と比較して論述問題や描図問題が多く、典型的なグラフや論述問題に関しては手早く処理できるようにしておきたい。問題の分量もかなり多いので要領の良さが必要である。
化学▶形式面でも〔問1〕が小問集合、〔問2〕にグラフ描画、〔問3〕に有機化学の出題という点は変化がなかったが、大幅に易化した2023年度に比べてやや難化し、差がつきやすい内容となっていた。基本的な知識を頭に入れるだけでなく、思考力を養っておくことが求められる。特にグラフ描画の出題は頻出の形式であるため、訓練を積んでおこう。
生物▶2023年度は難化したが、2024年度は例年並みの難易度に戻った。とにかく論述問題の分量が多く、例年合計で400~600字程度(小論文1本に相当する分量)になるため、精度を少々犠牲にしてでも手早く処理できるようにしておくことが必要である。
英語▶空所補充や同意表現で知識、内容説明や内容一致で読解力をバランスよく問う問題構成で、2023年度から難易度の変化は見られない。文法の典型問題も頻出なので文法も押さえておく必要がある。
数学▶ここ数年、ほぼ同じ難易度で標準的な問題が出題されている。傾向として計算量が多めで、全問に数Ⅲの内容が含まれる年もあるなど数Ⅲの微積分はほぼ必出なので計算のトレーニングをしっかりしておきたい。
物理▶難易度に変化はなく標準レベル。幅広い知識は必要だが、問題の分量はそれほど多くないため、取り組みやすい問題も多い。力学からの出題が多いのが特徴。
化学▶互いに繋がりのない小問集合が例年出題。化学用語の定義や文字式計算、グラフ、構造式などが頻出のため、過去問やマーク式問題集で対策する必要がある。
生物▶前年同様に大問2題構成。基本事項が問われる問題が多く、苦手分野を作らないような学習で幅広く正確な知識をつけることが重要。問題量も多くなく、高得点勝負となるためケアレスミスに気をつける必要がある。
英語▶マーク式+記述式という出題形式と標準レベルという難易度は例年通り。ただ全体として問題量が増加傾向にあるので、スピードと正確性が求められる。他大学にはあまり見られない長文中語句整序問題は慣れが必要なため、過去問で繰り返し練習を積んでおきたい。
数学▶2023年度から引き続き難易度が高く、やさしい問題がほとんどない。粘り強さが求められる。問題量も多く時間が足りないので、迅速で正確な計算力が必須となる。
物理▶大問3題構成。例年、力学、電磁気で1問ずつ出題。標準的な問題が多く高得点勝負になるが、各大問の後半で差がつきやすいので注意する必要がある。
化学▶記述+選択式の出題形式で大問4題構成。語句や名称、化学反応式、計算式などの典型標準題を繰り返して対策することが重要。論述問題にも備えておきたい。
生物▶2023年度同様、大問4題の記述式。論述問題は毎年出題されるが論述量が減り、高得点勝負になる。出題範囲は、基礎的な知識問題から考察問題まで広範にわたる。論述問題でコンパクトにまとめる練習が求められる。