厚生労働省の「腎疾患対策及び糖尿病対策の推進に関する検討会」は2月13日、「糖尿病対策に係る中間とりまとめ」を公表した。糖尿病医療体制の整備や、都道府県が糖尿病対策の進捗管理に用いる指標例の見直しなどが主な内容で、同省が年度内に改正する医療計画作成指針などに反映させる。
中間とりまとめは、(1)糖尿病対策に係る他計画との連携等を含めた診療提供体制、(2)新型コロナウイルス感染症拡大時の経験を踏まえた今後の糖尿病医療体制、(3)糖尿病対策に係る指標の見直し―などが柱。
(1)では、これまでの取組に加え、▶高齢者糖尿病について、コントロール目標等が設定されたことにも留意し、低血糖予防、フレイル対策、併存症としての心不全に関する実態把握や、在宅医療・在宅訪問看護や介護・地域包括ケアとの連携等の要素も含め、糖尿病の治療や合併症の発症予防・重症化予防につながる取組、▶周術期や感染症入院中の血糖コントロール等、糖尿病を併存している他疾患を主たる病名として治療中の患者の血糖管理体制に関する取組―などを推進する。
(2)では、感染症流行下等の非常時であっても糖尿病患者が適切な医療を受けられるような体制を整備する。ICTやパーソナル・ヘルス・レコード(PHR)の利活用のほか、在宅医療との連携を含めた継続的・効果的な疾病管理や、オンライン診療による対応が可能な糖尿病患者の病態像の検討を進める。
(3)では、「第8次医療計画」で糖尿病医療体制の現状把握に用いる指標例について、「糖尿病の予防」、「糖尿病の治療・重症化予防」、「糖尿病合併症の発症予防・治療・重症化予防」の3項目を軸に全体を整理する方針を提示。
指標を設定する際の考え方では、▶「専門家数」と「専門医療機関数」の両方を採用可能な指標は、医療提供体制の整備の観点から「専門医療機関数」を用いる、▶「比率」と「実数」の両方が採用可能な指標は、都道府県間の比較が行えるよう原則として「人口10万人当たりの比率」を用いる、▶「HbA1cもしくはGA検査の実施」や「重症低血糖の発生率」等、糖尿病患者を対象にした検査の実施や糖尿病患者における合併症の発生については、母数として「糖尿病患者数」を用いる―などのルールを示した。