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両下肢の激痛を主訴に受診した76歳女性[キーフレーズで読み解く 外来診断学(293)]

No.5171 (2023年06月03日発行) P.1

監修: 生坂政臣 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

執筆: 田村弘樹 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

横川大樹 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

野田和敬 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

上原孝紀 (千葉大学医学部附属病院総合診療科)

登録日: 2023-06-01

最終更新日: 2023-05-31

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受診14日前に腰部脊柱管狭窄症による腰痛に対して,L3-5の前後方除圧固定術を受けた。腰痛は軽快したが,術後5日目に術前にはなかった両下肢のしびれと痛みが出現した。術後10日目に両下肢の脱力,術後12日目に悪心・嘔吐,腹部膨満感や残便感,術後13日目には一睡もできないほど両下肢痛が悪化し,精査目的で当科を紹介受診した。

既往歴は高血圧症,糖尿病。

身体診察では,体温36.9℃,脈拍90回/分,血圧146/92mmHg,SpO2 98%(room air)。移動は車椅子で安静時も両下肢痛が強く苦悶様。徒手筋力検査で両上肢は5,両下肢は疼痛のために評価不能。両側の膝蓋腱・アキレス腱反射は消失。触覚,温痛覚に異常はないが,振動覚は両下肢で著明に低下している。

一般血液・生化学検査での異常値は,WBC 16200/μL(分葉核球86.4%),LD 338U/L,ALP 155U/L,Na 129mmol/L,Cl 96mmol/L,HbA1c 7.1%,CRP 0.70mg/dL。術後の腰椎MRIを示す(図1)。

 研修医の診断:腰椎前後方除圧固定術の術後合併症

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