日本医師会の松本吉郎会長は6月25日に開かれた定例代議員会で、医師会の組織強化に取り組む考えを強調した。特に、常任理事を4人増員することについて、冒頭挨拶の中で「直ちに、医師会組織強化をはじめとする喫緊の課題に対し、執行部の新たな一員としてともに当たっていただく」と表明。代議員からの質疑の中でも「腹案だが、4人には組織強化の副担当に入っていただく。入会の促進や医政活動、組織強化をしっかりやっていただく」と強調した。
組織強化の一環として、会員情報システムのDX化にも意欲を示した。来年度中に会員の入退会手続きをweb上で行えるシステムを構築することや、今年9月以降、「日本医師会サーバーセキュリティ支援制度」に専門相談窓口を開設する方針を表明。世界的な半導体不足で発行が遅れているHPKIカード「医師資格証」については、今月からクラウド上のセカンド電子証明書を先行発行して電子処方箋の発行に支障が生じないようにしたことも報告した。
松本会長はこのほか、6月16日に閣議決定された「骨太の方針2023」にも言及。「かかりつけ医機能の制度整備」に関しては全世代社会保障法で「一定の整理がなされた」として、「かかりつけ医の制度化」問題は遠のいたことを示唆した。来年4月のトリプル改定については、原案に書き込まれていた「抑制の必要性」が「影響」に変更されたことなどを指摘しながら、「代議員の先生方の(地元選出自民党議員への)働きかけが実を結んだものと理解している」とその内容を評価、謝意を表明した。
定例代議員会では会費の改正も承認された。31歳以上のA②(B)会員について、2024年4月1日から4000円引き下げる。これにより、31歳以上のA②(B)会員の会費は、通常の場合で年額6万4000円、高齢減免で4万8000円、疾病等減免で3万6000円となる。これは医賠責保険料部分を年額4万円から年額3万6000円に引き下げたことにより実現した。
今回の引き下げは2018年度にA②(B)、A②(C)の会費が引き下げられて以来の措置。なお、今回は30歳以下のA②(B)会員については変更はない。