硬膜穿刺後頭痛とは,腰椎穿刺後5~40%に発生する起立性の頭痛である。硬膜の穿刺孔から脳脊髄液が漏れ続けることで生じると考えられている。若年・やせ型で生じやすく,高齢者では生じにくい。大半は発症後1週間以内に自然軽快するが,遷延化・重症例ではブラッドパッチ(硬膜外自家血注入)を要することがある。腰椎穿刺の際に無外傷性針(ペンシルポイント針等)を用いることで発生率を下げることができる1)。
過去5日以内(90%は3日以内)の腰椎穿刺の実施,姿勢による変化(坐位・立位で悪化し,臥位により20秒~15分で軽減)で比較的容易に診断できる。嘔気,項部硬直,脳神経症状(光過敏,複視,聴覚過敏,耳鳴り等)をしばしば伴う。通常は特別な検査は要さない。
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