「医師の働き方改革」で重要な課題の1つは、医療機関の特例水準の申請・承認が来年3月末までに適切に行われるかだろう。とりわけ注目されるのが大学病院の動向だ。全国医学部長病院長会議の馬場秀夫氏と、日本医師会の城守国斗氏に現在までの進捗状況、課題などを聞いた。共通して指摘したのは、地域医療への影響だ。副業・兼業先の医療機関に宿日直許可の申請を呼びかけるとともに、外来医療計画などを通じて地域の実情に応じた対応を検討すべきとの指摘もなされた。
城守国斗
日本医師会常任理事
─評価センターへの申込状況は。
7月7日現在で309件だ。受付が始まった昨年10月31日から数カ月は申込がほとんどない状態だったが、「遅くとも夏までに申込を」と相当頻回にアナウンスを行った結果、今年3月以降は徐々に件数が上がってきた(図2)。309件のうち約3分の1が大学病院の本院および分院だ。
─最終的に申請件数はどの程度になりそうか。
当初は臨床研修指定病院や特定機能病院、地域医療支援病院といった基幹病院すべてが申請すると仮定して、全国で1200〜1500件と想定されていた。しかし、厚生労働省が直近で各都道府県の推計を積算した結果、500件くらいとみられている。
これは各医療機関で労働時間短縮の取り組みが進められてきた結果で、申込は現時点でほぼ半数まできていることになる。6月だけで申込は100件を超えており、7、8月でおおよその病院から申込がなされるのではないかと見込んでいる。