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外反扁平足に対する術式選択について

No.5182 (2023年08月19日発行) P.57

神崎至幸 (神戸大学医学部整形外科)

嶋 洋明 (大阪医科薬科大学整形外科講師)

登録日: 2023-08-21

最終更新日: 2023-08-15

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  • 外反扁平足変形には非常に多くのバリエーションがあり,どのような術式を選択すべきか迷うことがあります。近年,米国で変形の状態に応じた新しい分類が提唱されましたので,それをふまえて一度知識の整理のためにも術式選択のポイントをご教示下さい。
    大阪医科薬科大学・嶋 洋明先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    神崎至幸 神戸大学医学部整形外科


    【回答】

     【PCFD分類を参考に複数の術式を組み合わせて手術を行う】

    扁平足とは足部縦アーチの低下,後足部の外反,前足部の外転・回外を伴った3次元的な変形を呈する疾患であり,成人期扁平足の主な原因に後脛骨筋腱の機能不全があります。

    これまではJohnson&Myerson分類などが扁平足の分類に用いられてきましたが,2020年に米国足の外科学会から「progressive collapsing foot deformity」という概念が提唱され,扁平足を5つの部位に分けて,それぞれにおいて3次元的に変形を評価するPCFD分類が開発されました。

    5つの部位は,class A:後足部,class B:中足部,class C:前足部,class D:距骨周囲,class E:足関節であり,各部位においてstage 1:可撓性あり,stage 2:可撓性なしに分類します。たとえば,後足部の外反変形は可撓性があるが前足部の回外変形は可撓性がない症例では1A2Cと表記します。また,後足部の外反変形と中足部の外転変形と前足部の回外変形は可撓性がなく,足関節外反変形は可撓性のある症例では2ABC1Eと表記します。

    これらの評価には荷重位での単純X線が必要であり,さらに荷重位でのCT撮影が強く勧められています。

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