診療報酬調査専門組織の「入院・外来医療等の調査・評価分科会」は9月6日、DPC/PDPS等作業グループ(作業G)から、医療機関別係数や点数設定方式の妥当性、いわゆる外れ値に該当する病院のDPC制度からの退出ルールなどの検討状況について、中間報告を受けた。
このうち診療密度や在院日数が平均から大きく外れる病院のDPC制度からの退出ルールの設定は、2018年度改定時からの継続課題となっている。
作業Gはこれまでの検討で、①「急性期一般入院基本料」の届出を行う医療機関全体と比較してもデータ数が少ないDPC対象病院がある、②データ数が少ないDPC対象病院は、複雑性係数(1入院当たりの医療資源投入の観点から見た患者構成を評価する項目)が高い傾向にある、③1月当たりデータ数が90以下の病院では、診療密度が低い傾向にある―などが明らかになったと報告。こうした結果に対して作業Gでは、急性期医療の標準化というDPC制度の趣旨を踏まえ、DPC対象病院の要件とその評価のあり方の両面からの検討が必要ではないかという意見があったことを紹介した。
一方、DPC/PDPSにおける1日当たり点数は、入院期間中の医療資源の投入量の変化に応じた評価となるように階段状に設定され、点数の配分方法の違いによってA〜Dの4種類の設定方式がある。
作業Gはこのうち、標準的な点数設定方式であるAについて、入院初期(入院期間I)の医療資源投入量が設定点数を大きく上回る例があることを確認。これらのケースでは、患者を入院初期に退院させるとコスト回収できなくなる矛盾が生じていると考えられることから、評価を見直すべきではないかとの指摘があったことを報告した。