厚生労働省は10月26日の社会保障審議会介護給付費分科会に、通所系サービスや短期入所の改定の方向性を提示した。通所リハビリテーションでは、事業所の理学療法士等が退院時カンファランスに参加した場合の評価の新設や大規模事業所減算の一部見直しなどを盛り込んだ。
通所系サービスについてみると、通所リハビリでは、医療から介護へのリハビリの移行が切れ目なく、より円滑に進むよう、①ケアプランにリハビリを位置付ける際に意見を求める「主治の医師等」に入院先医療機関の医師が含まれることを明確化、②基本報酬の算定要件に医療機関のリハビリ実施計画書を入手した上でリハビリ計画を作成することを追加、③通所リハビリ事業所のPT等が退院前カンファレンスに参加し、退院時共同指導を行った場合の加算を新設―とする案を示した。
基本報酬における大規模事業所減算も取り上げた。大規模事業所はスケールメリットを活かした効率的なサービス提供が可能との考えに基づく仕組みだが、人員配置が厚く、中重度の利用者割合が高い事業所ではそのメリットも限定的である点を考慮。個々の利用者のニーズに応じてリハビリマネジメントを実施する体制等が充実している事業所については、現行の大規模型の報酬について一定の見直しをすることを提案した。
リハビリ・口腔・栄養の一体的提供では、「リハビリテーションマネジメント加算」に口腔・栄養のアセスメントも併せて実施した上で、リハビリの質を管理した場合の評価を新設し、いっそうの推進を図る考えを打ち出した。
通所介護では「個別機能訓練加算」の見直しを提言した。同加算のうち(Ⅰ)ロについて、別事業所との兼務などが可能になるよう、サービス提供時間帯を通じて専従の機能訓練指導員1名以上の配置を求める要件を緩和。さらに個別機能訓練の平均実施時間が短い実態を踏まえ、評価の適正化も図ることを提案した。
また通所系サービスに共通する事項では、新型コロナウイルス感染症拡大時に活用した3%加算や規模区分の特例について、新興感染症や大規模災害の発生といった緊急時に対応するための加算として存置する考えを示した。