26年前、私は母校の泌尿器科講座に入局しました。当時から泌尿器科臨床の現場は、入院患者の大多数が悪性疾患の高齢者であり、今と変わりませんでした。研修医の私からすると、患者は自分の祖母と同世代の方たちばかりでした。
そんな中、私より少し年下の20歳代男性が入退院を繰り返していました。病名は膀胱外反症。乳幼児期に西日本の病院で治療を受け、高校卒業後に上京し、専門学校に通っていました。
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