グラクソ・スミスクライン(GSK)は1月15日、国内初となる高齢者(60歳以上)向けRSウイルスワクチン「アレックスビー筋注用」の販売を開始したと発表した。
アレックスビーは、遺伝子組換えRSウイルスPreF3抗原(RSVPreF3)とアジュバントシステム(AS01E)を接種することでRSウイルスサブタイプAおよびB中和抗体応答とRSVPreF3特異的CD4陽性T細胞応答を誘導する作用機序を持つ。60歳以上(日本人1038例を含む24966例)を対象に実施した国際共同第Ⅲ相試験で、特定の基礎疾患を有する患者を含め、RSウイルスによる下気道疾患に対し全般的に高いワクチン効果が認められた。
GSKによると、高齢者や慢性の基礎疾患(喘息、COPD、心疾患など)を有する人、免疫機能が低下している人は、RSウイルス感染症の重症化リスクが高く、入院、死亡などの重篤な転帰につながる可能性がある。またRSウイルス感染症は、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心疾患などの基礎疾患の増悪の原因となることもあるという。
日本ではこれまで、高齢者に対するRSウイルス感染症の治療や予防を目的とした薬剤は販売されておらず、酸素投与、静脈内輸液、気管支拡張薬などの支持療法が行われていた。毎年、RSウイルス感染症によって60歳以上の成人で約6万3000人の入院と約4500人の院内死亡が発生していることが見込まれており、アレックスビーの接種によるRSウイルス感染症の発症・重症化リスクの軽減が期待される。
アレックスビーの効能・効果/用法・用量
【効能・効果】RSウイルスによる感染症の予防
【用法・用量】抗原製剤(凍結乾燥製剤)を専用溶解用液全量で溶解し、60歳以上の者に1回0.5mLを筋肉内に接種する