厚生労働省は1月18日、ファイザーが申請していた妊婦・新生児向けの組換えRSウイルスワクチン「アブリスボ筋注用」の国内での製造販売を承認した。
アブリスボ筋注用はRSウイルスに対する国内初の母子免疫を利用したワクチン。RSウイルスは生後数カ月までの乳児に感染した場合、気管支炎や肺炎などの重症感染症を引き起こすことがあり、日本では毎年約12~14万人の2歳未満の乳幼児がRSウイルス感染症と診断、約4分の1が入院を要していると推定されている。
アブリスボ筋注用は、妊婦に接種することで、母体のRSウイルスに対する抗体応答を誘導して中和抗体価を高め、子の出生時から乳児期におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患を予防することが期待されている。
用法・用量は、「抗原製剤を専用溶解用液全量で溶解後、妊娠24~36週の妊婦に、1回0.5mLを筋肉内に接種する」。発売時期は2024年6月を予定している。
RSウイルス関連の下気道感染症に関するアブリスボの試験結果
国内外18カ国での第Ⅲ相試験で、生後90日以内に診療を要するRSウイルス下気道感染症の発症は、ワクチン接種群(3750人)が6人、プラセボ群(3558人)が33人だった。ワクチン有効性は81.8%