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ガマ腫[私の治療]

No.5219 (2024年05月04日発行) P.42

鈴木健介 (関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座准教授)

岩井 大 (関西医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座教授)

登録日: 2024-05-03

最終更新日: 2024-04-26

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  • ガマ腫は舌下腺からの粘液漏出により生じる粘液貯留嚢胞である。その存在部位から口腔底(舌下間隙)に限局する舌下型,顎舌骨筋を超え顎下部に進展する顎下型,両方に及ぶ舌下・顎下型に分類される。

    ▶診断のポイント

    【症状】

    舌下型ガマ腫は口腔底の一側に半透明の囊胞性腫瘤として認められ,口腔違和感などの症状や,時に構音,咀嚼,嚥下障害を生じる。一方,顎下型ガマ腫は顎下部の柔らかい無痛性腫瘤として生じる。

    【検査所見】

    診断には超音波検査やMRIが有用である。MRIでは口腔底や顎下部に,単房性・辺縁整であるが,周囲臓器の圧排に応じていびつな形をした囊胞として認められる。内容液は粘液性で,T1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号をとる。本疾患の鑑別疾患である皮様囊腫やリンパ管腫などの囊胞性疾患はMRIで類似の像を呈するが,ガマ腫はオトガイ舌骨筋をまたいで口腔底に嘴状に陰影が広がる(tail sign)のが特徴的とされている。

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