ジェンマブは4月26日、抗体薬物複合体(ADC)チソツマブ ベドチンの単剤療法について、化学療法後に増悪した進行または再発の子宮頸がんを対象疾患として製造販売の承認申請を行ったと発表した。
同剤は、ジェンマブの組織因子(TF)を標的とするヒトモノクローナル抗体に、プロテアーゼ切断可能なリンカーを用いて微小管阻害薬モノメチルアウリスタチンE(MMAE)を共有結合させるファイザーの技術を応用して開発されたADC。両社は同剤を共同開発し、費用と利益を50対50で分担する。
今回の申請は、二次・三次治療の再発または転移性子宮頸がん患者を対象に、チソツマブ べドチンと治験担当医師が選択した化学療法単独との比較による有効性・安全性の評価を目的とした無作為化非盲検の国際共同第3相臨床試験などの成績に基づいて行われた。
子宮頸がんはワクチン接種や定期検診により発症・進行の予防が可能な疾患だが、日本におけるワクチン接種率は5%未満、定期検診受診率は40%程度と欧米諸国に比べて低く、近年罹患数、死亡数ともに増加傾向にある。特に一次治療後に進行または再発した子宮頸がん患者に対する治療選択肢は限られており、新しい治療法の実用化が期待されている。
「チソツマブ ベドチン」の作用機序
非臨床試験のデータから、TFを発現しているがん細胞にADCが結合してADC-TF複合体が内在化、続いてプロテアーゼによる切断を介してMMAEが放出されることで抗がん活性が発揮されると示唆