乳癌は日本人女性におけるがんの部位別罹患数第1位で,9人に1人が罹患すると推定される。適切な治療にて根治が得られる可能性は比較的高い。
乳癌の症状としては乳房のしこり,皮膚のひきつれ,乳頭分泌などであり,乳癌検診異常で専門外来受診も多い。画像診断としてはマンモグラフィ,超音波が重要であり,針生検にて乳癌の確定診断とサブタイプの分類を行う。診断確定後,乳房内広がり診断として乳房造影MRI検査が用いられる。
原発性乳癌の治療は,局所療法である手術と放射線照射,サブタイプに応じ全身療法である内分泌療法および化学療法,分子標的療法,免疫チェックポイント阻害薬(ICI)などで構成される。遺伝性乳癌など乳癌の多様性に応じた集学的治療が重要となり,チーム医療を展開する必要がある。
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