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■NEWS 医師の偏在是正で24年末までに総合対策パッケージを策定―骨太方針原案

No.5226 (2024年06月22日発行) P.71

登録日: 2024-06-14

最終更新日: 2024-06-17

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政府の経済財政諮問会議は611日、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2024」の原案を公表した。社会保障分野の改革では、医師の地域間、診療科間、病院・診療所間の偏在是正のための総合的な対策パッケージを24年末までに策定することなどを盛り込んだ。

原案は、国と地方を合わせた基礎的財政収支の25年度の黒字化を目標に掲げるとともに、新たに「経済・財政新生計画」(2530年度)を定めることを明記。その際、計画当初の3年間を集中改革期間と位置付け、これまでの歳出改革努力を継続する考えを示した。

社会保障分野の改革メニューでは、医師の地域間、診療科間、病院・診療所間の偏在是正について、現行の医師確保計画の深化に加え、総合的な対策パッケージを24年末までに策定する方針を打ち出した。パッケージの中身には、医師養成過程での地域枠の活用、総合診療医の育成、リカレント教育の実施、経済的インセンティブによる偏在是正、医師少数区域等での勤務経験を求める管理者要件の大幅な拡大―などを挙げた。

医学部定員の適正化にも言及。26年度の医学部定員は24年度を超えない範囲で維持し、27年度以降については今後の医師の需給状況を踏まえつつ、適正化の検討を速やかに行うと記載した。

■新たな地域医療構想は対象範囲を拡大し、医療機関機能を明確化

85歳以上人口の増加と現役世代の減少が見込まれる40年頃を見据えた新たな地域医療構想は、対象範囲をかかりつけ医機能や在宅医療、医療・介護連携、人材確保等を含めた地域の医療提供体制全体に拡大。その上で、従来からの病床機能の分化・連携に加えて、医療機関機能の明確化や都道府県の責務・権限、市町村の役割、財政支援のあり方―などについて、法制上の措置を含めて検討し、24年末までに結論を得るとした。

現役世代の負担の上昇を抑制する観点から、審査支払機関による医療費適正化の取り組みの強化、多剤重複投薬や重複検査等の適正化を推進することも明記。介護保険制度においては、利用者負担が2割となる「一定以上所得」の判断基準の見直し、ケアマネジメントに関する給付のあり方、軽度者への生活援助サービス等に関する給付のあり方―について、第10期介護保険事業計画期間の開始(27年度〜)の前までに検討を行い、結論を得ると記した。

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