きくち総合診療クリニックは令和6年4月11日で8年目に入りました。夜間診療,土日診療,年末年始などの祝日診療を続けており,地域医療に貢献できていると自負しています。今回は,きくち総合診療クリニックの特徴をお話ししたいと思います。おそらく,通常のクリニックとの違いは,大きくわけて以下の3つだと思います。
「①日曜祝日診療」「②医療機器の充実」「③何でもまず診る」
この3つそれぞれについてお話しします。
まず1つ目の日曜祝日診療です。私は日曜祝日診療をしたくて開業しました。というのも,日曜祝日に診療をしているのは,総合病院の救急外来か休日診療所だけだからです。総合病院の救急外来は専門医が当番で診療していますので,自分の専門外の疾患は「明日,かかりつけに行ってください」ということになりますし,休日診療所も最低限の処方・検査だけしかできません。一般のクリニックは,日曜は休診ですので,日曜祝日診療は患者さんの役に立つと思いました。
案の定,日曜祝日は9時~17時の診療時間で200人の患者さんが受診します。定期的に来院する生活習慣病の方も多いですし,急な体調不良の方も多く受診されます。いつも通院している病院が休診する中,具合が悪くなったと言って来院する患者さんのために救急対応をしています。
そして2つ目は医療機器の充実です。当院はレントゲン,超音波,CT,MRIなどをそろえています。最近CT,MRIを導入するクリニックも増えてきましたが,それは呼吸器内科や脳神経外科のクリニックに限られているようです。当院は総合診療・救急診療に力を入れていて,どんな症状の方にも検査ができるようにしたいので,CTやMRIは必須だと思っています。どんな病気でも早期発見が一番大事ですし,何よりも患者さんが安心します。
病気を早期発見できれば,総合病院に紹介する際にもスムーズです。「腹痛を診てください」よりは,「急性虫垂炎なので診てください」のほうが,紹介先の医師にも負担がかからないからです。このように医療機器が充実していると,心配なときに受診してくる患者さんが増えるわけです。
最後の3つ目の何でも診るは,本当に大切なことです。かかりつけ医は何でも診るのがあたりまえですし,自分の得意分野だけを診る医師は,かかりつけ医とは言えないでしょう。
医師は一生勉強する義務があります。地域医療を守るために,受診した患者さんを診るのです。病気を診る前に,その人を診るのです。今,このようなマインドのかかりつけ医がほとんどいないので,近い将来,日本の地域医療がどうなってしまうのか,不安でたまりません。患者さんをまず診るのは,かかりつけ医です。そこがしっかりしないと地域医療が崩れます。とてもやりがいのある仕事ですので,若い先生方には開業していただきたいと思います。