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メニエール病[私の治療]

No.5241 (2024年10月05日発行) P.41

曾根三千彦 (名古屋大学大学院医学系研究科頭頸部・感覚器外科学講座耳鼻咽喉科学教授)

登録日: 2024-10-06

最終更新日: 2024-10-01

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  • 難聴・耳鳴・耳閉感などの聴覚症状を伴うめまい発作を反復する疾患であり,その病態は内リンパ水腫である。内リンパ水腫が発症する原因は不明であるが,リンパの増加や吸収障害,抗利尿ホルモン増加が関係していると考えられている。疫学的には,几帳面で神経質な性格の人に発症する割合が高く,発症誘因として精神的および肉体的過労などのストレス,気圧変化や睡眠不足が挙げられる。

    ▶診断のポイント

    メニエール病定型例の臨床症状は,誘因がなく10分程度から数時間程度持続するめまい発作を反復し,めまい発作に伴って難聴,耳鳴,耳閉感などの聴覚症状が変動する。めまいは浮動感のこともあるが,数十秒程度のきわめて短いめまいの場合,メニエール病は否定的である。臨床症状に加えて,聴覚機能検査,平衡機能検査,内リンパ水腫推定検査,内リンパ水腫画像検査にて診断する。各種内リンパ水腫推定検査と造影MRI内リンパ水腫所見との相関が指摘されている。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    非定型例として,聴覚症状の増悪や軽快を反復するがめまい発作を伴わない蝸牛型メニエール病と,めまい発作を反復するが聴覚症状は固定性で,めまい発作に関連して変動しない前庭型メニエール病が存在する。聴覚症状と前庭症状を的確に評価した対応が必要である。

    >WEBコンテンツ「メニエール病の診療ステップ1・2・3」

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