手足口病は,5歳以下の乳幼児を中心に,夏季に流行するウイルス感染症である。基本的には軽症で自然回復するが,稀に髄膜炎や脳炎などの合併症を起こす。5類感染症小児科定点把握疾患のひとつで,定点医療機関からの報告数は2009~2019年の10年間では,約6万9000〜約40万例/年と幅がある。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行後の2020年は報告数が例年を大きく下回り,1万8000例であったが,2021年からは以前と同じ水準に戻った。2024年は第15週から増加しており,第19週以降は過去10年間と比較して,定点当たりの報告数が最多となっている。