日本医師会、日本医学会、全国医学部長病院長会議の3団体は13日、塩崎恭久厚労相と面会し、国家戦略特区への医学部新設に反対する声明を提出した。提出後に会見した横倉義武日医会長によると、塩崎厚労相は「議論の推移を見守り、地域医療に混乱が起きる可能性があれば意見を言っていく」と応じたという。
特区への医学部新設を巡っては、政府の国家戦略特区諮問会議の民間議員が今年度内に結論を得るよう求めており、声明は急速な議論の進行を牽制するもの。3団体は今後、下村博文文科相にも声明を提出する予定。
会見で横倉会長は、「人口減少社会の中で医師養成はどうあるべきかをまず議論すべき。それなしに規制緩和で医師を増やしては国の将来を見誤る」と懸念を表明。荒川哲男医学部長病院長会議会長は、千葉県成田市と国際医療福祉大が掲げる新設構想に対し、「教員となる医師の引き抜きや教育設備の建設を要する形での新設は非常に疑問だ」と述べた。