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法医学的異状(岩瀬博太郎)[プラタナス]

No.5253 (2024年12月28日発行) P.3

岩瀬博太郎 (千葉大学大学院医学研究院法医学教育研究センター教授)

登録日: 2024-12-28

最終更新日: 2024-12-24

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  • 路上で倒れていた30歳代の男性。心肺停止状態で病院へ搬送され、死亡が確認された。病院で死後CTを実施したところ、脳底部を中心にくも膜下出血を認めたことから、医師は「脳底部動脈瘤破裂に起因するくも膜下出血」と判断し、警察への届け出はせず、死因の種類を病死および自然死とした死亡診断書を発行した。一方、救急隊は現場到着時に通行人から、「この人は顔を殴られて転倒し、そのままここで倒れていた」と聞いており、救急隊から警察へ通報があったため、警察は司法解剖を実施した。その結果、出血源は動脈瘤ではなく椎骨動脈破綻部であることが判明し(写真)、「外傷性くも膜下出血」と診断され、警察が傷害致死事件として捜査したところ、加害者が逮捕された。

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