路上で倒れていた30歳代の男性。心肺停止状態で病院へ搬送され、死亡が確認された。病院で死後CTを実施したところ、脳底部を中心にくも膜下出血を認めたことから、医師は「脳底部動脈瘤破裂に起因するくも膜下出血」と判断し、警察への届け出はせず、死因の種類を病死および自然死とした死亡診断書を発行した。一方、救急隊は現場到着時に通行人から、「この人は顔を殴られて転倒し、そのままここで倒れていた」と聞いており、救急隊から警察へ通報があったため、警察は司法解剖を実施した。その結果、出血源は動脈瘤ではなく椎骨動脈破綻部であることが判明し(写真)、「外傷性くも膜下出血」と診断され、警察が傷害致死事件として捜査したところ、加害者が逮捕された。
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