東京女子医大が発注した施設の建設工事を巡り1億円を超える損害を同大に与えたとして岩本絹子元理事長(産婦人科医)が1月13日、背任容疑で警視庁に逮捕された。これを受け同大の清水治理事長、山中寿学長らは同日、記者会見を開き、「既に元理事長は解任されているが、逮捕されたことは誠に遺憾」とする声明を発表した。
「このような事態に至ったことを改めて厳粛に受け止めている」とし、「本学の学生・保護者、附属病院の関係者、利用者をはじめ、すべてのステークホルダーの皆様に深くお詫び申し上げる」と陳謝している。
警視庁は2024年3月、勤務実態がない同窓会職員への給与の不正支給などの疑いで東京女子医大の本部や当時の岩本理事長の自宅を一斉捜索。その後、大学が設置した第三者委員会が法人全体の経営体質の刷新を求める調査報告書をまとめたのを受け、8月に岩本理事長の解任が決定した。
同大は「引き続き警視庁の捜査に全面的に協力し、大学全体で原因究明と再発防止に全力を尽くしていく。逮捕された関係者については、確認された事実を踏まえ、厳正に対処していく」としている。