沢井製薬は8月27日に記者会見を開き、減酒治療補助アプリ「HAUDY(ハウディ)」を9月1日に発売すると発表した。会見で木村元彦代表取締役社長は「我々として初の治療アプリで、非常にエキサイティング。アルコール依存症の新たな治療選択肢として、患者さん本人のみならずご家族にとっても喜ばれる存在になりたい」との意気込みを示した。
減酒治療補助アプリ「HAUDY」は、株式会社CureAppが開発したアルコール依存症で減酒を治療目標とする患者を対象にしたアプリで2025年2月に薬事承認および保険適用を取得。沢井製薬は国内販売を独占で手掛ける。同社はHAUDYの業績インパクトについて、初年度の対象患者数は1300人、約1億円の売上を見込んでいる。また、発売から5年間の処方患者数は約1万人と推計、売上高は約5億円を目指す。
会見で木村社長は、サワイグループホールディングスとして沢井製薬が取り組むジェネリック事業を中核として、デジタル・医療機器や希少疾患の新薬開発などの新規事業に積極的に取り組む方針を強調。同グループが2030年までに目指すビジョンとして策定した「Sawai Group Vision 2030」に掲げた企業理念の実現に強い意欲を示した。
同社製品戦略部の澤田豊博部長は、HAUDY発売に向け25年4月に「デジタル医療機器推進室」を設置、専任MRを配置するなど情報提供活動に向けた組織体制を整備したと説明。同社のMRが疾患の予防、診断、治療の各段階に関わり医療機関に積極的に情報提供を行っていく方針を示した。
また、9月1日には専用ホームページ「AUDアルコール相談室」を開設するなど一般生活者に向けたAUD(アルコール依存症/アルコール依存症使用障害)の疾患啓発活動を展開すると発表した。