任期満了に伴う自由民主党の総裁選で再選された安倍晋三首相は9月24日、記者会見を開き、「アベノミクス」の新しい「3本の矢」を提唱した。安倍首相は、すべての人が活躍できる「1億総活躍社会」を目指すとし、(1)希望を生み出す強い経済、(2)夢を紡ぐ子育て支援、(3)安心につながる社会保障─の重要性を強調した。
安倍首相は経済面の具体的目標として、名目GDP(国内総生産)を600兆円に伸ばすと明言。しかし、目標の達成時期については明確にしなかった。また、社会保障の充実の重要性も強調したが、主に「介護離職ゼロ」など介護や子育て分野に重点が置かれ、医療については「予防に重点化した医療制度へと改革を進める」と言及するにとどまった。
2017年4月に予定される消費税率10%への引上げについては、「予定通り実施していく」とした。