厚生労働省は21日の社会保障審議会医療保険部会と22日の同医療部会に対し、次期診療報酬改定の基本方針案を提示した。
医療保険制度改革の視点から改定に向けた議論を行う医療保険部会では、医療機能の分化・強化、連携を重点課題に挙げ、具体的方向性に盛り込む項目として、医療機能に応じた入院医療の評価では「患者の状態に応じた評価」、かかりつけ医やかかりつけ薬剤師・薬局の評価では「患者の心理や社会的側面などを踏まえた診療の推進」などを例示した。
●中川委員「平均在院日数短縮には反対」
一方、医療提供体制改革の視点から議論を行う医療部会では、基本方針案については概ね賛同が得られたものの、一般病床の平均在院日数の短縮を巡り激しい議論が交わされた。本多伸行委員(健保連)は、「“一億総活躍”には早期の社会復帰が重要。在宅復帰に向けた取り組みを評価すべき」と指摘。
これに対し中川俊男委員(日医)は、政策誘導による平均在院日数の短縮で、「大学病院などでは病床稼働率を維持するために入院患者を集める動きがある」と問題視。勤務医の負担軽減という方針に逆行している現状を招いていることから、「これ以上平均在院日数の短縮は受け入れられない」とした。