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「薬剤使用の適正化」巡り議論 - 薬局の残薬調整や薬剤数減少の評価が争点 [どうなる?診療報酬改定]

No.4777 (2015年11月14日発行) P.7

登録日: 2015-11-14

最終更新日: 2016-11-24

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(概要) 中医協総会は6日、次期診療報酬改定における外来医療の課題である「薬剤使用の適正化」を巡り議論した。残薬調整や処方薬剤数減少に向けた取り組みの評価が争点となる。

残薬や高齢者への多剤処方については、薬物療法の安全性・有効性の向上という視点に加え、医療経済面でも重要な課題となっている。その解消に向けた取り組みとして、6日の中央社会保険医療協議会総会(田辺国昭会長)で厚労省が提案したのは、残薬については処方箋様式に残薬調整の可否に関する医師の指示欄を新設することや、現行では限定的に認められている分割調剤の導入、多剤処方については、処方薬剤数が減少した場合の評価を新設─などだ。

●残薬調整「医師がやるのが筋」
厚労省の薬局調査では、残薬調整に必要な取り組みとして「医師との事前の取り決めに基づき薬剤師の判断で日数調整すること」が最も多かった。これを踏まえ厚労省は、薬局で残薬確認と残薬に伴う日数調整を円滑に進めるため、処方箋様式に残薬調整の可否にかかる医師の指導欄を設ける案を提示。
厚労省案に反対したのは松原謙二委員(日医)。残薬調整について、「医師がやるのが筋」とした上で、「院内では、薬が余っていないか患者に話を聞いて調整している。薬剤の有効期限は箱にだけ書かれていることが多く、(院外の薬局で調整すると)期限切れの薬を服用してしまう恐れがある」と懸念した。
一方、安部好弘委員(日薬)は「薬局では外部から処方箋をもらった場合も相談に乗っている。いつ調剤したのかも確認する」として、医師と連携すれば薬局でも残薬調整は可能と強調した。

●支払側、分割調剤導入に条件付き賛成
処方日数は、2002年度改定で新薬以外の制限が撤廃されて以降、経年的に増加傾向にある。長期処方は患者の通院負担を軽減する一方、薬をなくしたり、飲み忘れや中断により病状が改善しなかったケースが指摘されており、こうした実態を踏まえ、診療側、支払側ともに長期処方の是正が必要という方向性で一致した。
このほか、政府の規制改革会議が導入を求めている分割調剤を巡っては、診療側は従来からの反対姿勢を崩さなかったが、支払側は処方が分割されたタイミングで薬局で服薬状況を確認できるメリットなどから、「医師の処方権が担保された上で薬剤師が判断」すれば認める方針だ。

●松本委員「医師も薬剤数減少の評価対象に」
高齢者への多剤処方の問題については、「医療機関」や「医療機関と薬局が連携」して、処方薬剤数を減らした場合に評価するとしている。これに対し、松本純一委員(日医)は、「連携するのは薬局ではなくかかりつけ薬剤師」と文言修正を求めた上で、薬剤師の提案で処方箋を変更する医師についても評価対象にすべきと指摘。一方、幸野庄司委員(健保連)は医師、薬剤師の両方を評価することに反対した。

【記者の眼】多剤処方については、慢性疾患を有する高齢者では平均6剤、認知症の高齢者も平均6剤が処方されている。日本老年医学会が『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン』を改訂したが、有害事象の減少には薬剤数とともに投与量の減量についても検討する必要があるだろう。(T)

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