日本医師会の横倉義武会長は5日の会見で、財務省の財政制度等審議会財政制度分科会が論点として「診療報酬本体のマイナス改定」を提示したことに言及し、「本体のプラス改定を行わなければ、小泉改革時代の医療崩壊の再来を招くことになる」と訴えた。
会見で横倉会長は、4日の中央社会保険医療協議会に報告された「医療経済実態調査(実調)」の結果について、病院の損益率が1.4ポイント悪化し、赤字幅が拡大したことや診療所が院長給与を引き下げた点を指摘。
2014年度診療報酬改定が消費税率引き上げへの対応を除くと実質マイナス改定だったことを踏まえ、「病院、診療所ともに厳しい結果が示された。さらなるマイナス改定を行えば地域医療の崩壊をもたらす」として、財政審の議論を牽制した。
このほか、診療所の収益が0.2%減少し、損益率も微減となったことについては、「消費増税対応として初診料や再診料を引き上げたにもかかわらず、収益が下がったというのは十分な手当てをしていなかったのではないか」と問題視した。