全日本病院協会(全日病)は1日、会員病院を対象に実施した2015年度の経営調査の結果を報告した。全体の医業収支率の平均が初めて100%を下回った。
調査は5月に実施。全会員2431病院のうち987病院が回答した。
医業収支率の平均は99.8%と、昨年より4.8%減少し、調査を始めた1993年以降初めて100%を割る結果となった。医業収支率が100%未満の病院は全体の37%に上り、昨年(25%)から大幅に増加。人件費などのコストが他地域に比べて高い東京では、52%の病院が赤字だった。
病院種別にみると、特に医業収支率が低かったのは、一般病床のみの病院と一般・精神病床併設の病院。病床規模別では、病床数が多くなるほど収支率が低くなり、200床以上で100%を下回った。
猪口雄二副会長は「過去にない結果の悪さに驚いている。病院経営は全国的に厳しい状況だ」と述べ、診療報酬のプラス改定を強く求めていく考えを示した。