【Q】
東日本大震災から4年が経過しました。この震災によってもたらされた教訓は,これからも国民の間に永く語り継がれなければならないと思われます。災害の際,被災者の健康管理はもちろんのこと,支援者やボランティアの健康管理にも留意する必要があります。特に,感染症がひとたび被災地で流行すれば,普段以上に,早く,数多くの人たちに感染が広がります。東日本大震災時の状況をふまえ,災害時の感染症への対応について,帝京大学・高橋謙造先生のご教示をお願いします。【A】
災害時の感染症への対応において留意すべきなのは,感染症の持ち込み・伝播対策です。行政機能,医療施設機能が麻痺している中で感染症対策を進めるには困難がいくつもありますが,2011年3月11日の東日本大震災において,私たちは重要な教訓をいくつか得ました。