司 会:今日は膠原病科の症例です。私も主治医の一人としてコメントします。タイトルの「典型的な」という形容詞にぜひ議論してほしい問題点があります。
担当医:16歳,女性に生じた熱性病態です(スライド1)。病歴にご質問はあるでしょうか。
会 場:今回の発熱エピソードの前に,項部痛とか倦怠感はなかったのですか。
担当医:特に何もなく,急発症したようです。
会 場:病歴の記述ですが,抗菌薬点滴は6日間でやめたという意味ですか。
担当医:A病院で3月18日に終了です。19日にB病院で血管炎を疑われて当科へ依頼され,20日に来院した時点でも抗菌薬は使っていません。
司 会:病歴スライドは整然と記されていますが,来院時は十分に経緯が整理できず,2度の転院で情報が欠けたので,抗菌薬とその用量を前々医に問い合わせたのでしたね。不明熱に対応するときには必須なことだと思います。
担当医:生活歴のほうも,山歩きとか動物接触は入院時の聴取でなく,あとで感染症科の先生が問診して下さったことを追記しました。次に身体所見です(スライド2)。
会 場:多関節痛はなくなったのですか。病歴にあったのでStill病も考えましたが。
担当医:診察で関節炎の所見はとれず,非特異的な節々の痛みを言っていたのかなと思います。熱以外にStill病の所見はありません。来院時のデータも示します。
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