【Q】
幼児が日本語を習得していく際の言い間違い,文法間違いの傾向などは既に研究で明らかになっているのでしょうか(私の子どもで一例を出せば,「ひきずらない」と言うべきところを「ヒキズルナイ」などがあります)。 (兵庫県 K)【A】
結論から言えば,幼児の発話に生じる誤りの「傾向」は先行研究でかなり明らかにされています。ただ,それらが「本当に示唆しているもの」についてはまだ議論が続いている,となりましょうか。
1) Sano T:Roots in Language Acquisition:A Com-parative Study of Japanese. Hituzi Syobo, 2002, p75-81.
2) 村杉恵子:ことばとこころ─入門 心理言語学. みみずく舎, 2014, p36-48.
3) Clancy P:The Acquisition of Japanese:The Crosslinguistic Study of Language Acquisition. Volume 1. Psychology Press, 1986, p373-524.
4) 柴谷方良:理論研究と習得研究をつなぐもの─準体助詞「の」と誤用「赤いのくつ」をめぐって. 慶應言語学コロキアム講演資料, 2010.
5) 寺尾 康:言い間違いはどうして起こる?. 岩波書店, 2002.
6) 伊藤克敏:こどものことば─習得と創造.勁草書房, 1990.