【Q】
実地臨床において高齢者の肺癌の手術を施行する場合,通常の標準手術を選択するか,消極的な縮小手術を選択するか悩む場面があります。【A】
わが国では高齢化が顕著に進み,80歳以上の高齢者肺癌を手術することも少なくありません。肺癌の手術適応は「肺癌診療ガイドライン2013年版」上にも「手術適応の決定には,基本的な心肺機能検査をはじめ,血液・生化学所見や年齢などを総合的に評価・検討することが必要である」と述べられており,年齢のみで適応を決めることは望ましくないとされています。しかし,高齢者は併存疾患,社会的背景が多岐にわたるので,実地臨床での入念な病歴聴取,身体,検査所見,家族背景(特に家族のサポートの有無)の把握が必要です。