【Q】
原発性副甲状腺機能亢進症において,超音波検査装置の解像能の進歩,99mTc-MIBI(methoxyisobutyl isonitrile)シンチグラムへの保険適用などにより,病的副甲状腺腫大の術前局在診断の成績は向上しています。一方,画像診断陰性の原発性副甲状腺機能亢進症症例も依然として存在しており,異所性副甲状腺および過剰腺といった解剖学的バリエーションや多腺腫大の可能性を考慮すると,画像診断陰性の原発性副甲状腺機能亢進症,特に軽症例を手術適応とすることに躊躇します。藤田保健衛生大学・日比八束先生はどのように対処されているのでしょうか。【A】
目下のところ,原発性副甲状腺機能亢進症における病的腫大腺の局在診断は主に頸部超音波検査および99mTc-MIBIシンチグラムによってなされると思います。近年の頸部超音波検査の画像解像度の進歩は目覚ましく,甲状腺結節や腫大リンパ節などの鑑別もかなり可能になっています。また99mTc-MIBIシンチグラムはSPECT-CT画像にfusionすることで,より具体的な位置情報を示してくれるようになりました。